審査などの特殊な業務でも、マニュアルなどの資料を用意すればBPOは可能

審査などの特殊な業務でも、マニュアルなどの資料を用意すればBPOは可能

営業販売・マーケティング・アフターサービス営業販売
マーケティング
アフターサービス
公開日:2020年6月30日
5つのポイント
  1. 太陽電池モジュールメーカーのカナディアン・ソーラー・ジャパンが審査業務にBPOを導入
  2. もともとは派遣社員を3人活用していたが、BPOに切り替えて業務効率化を実現
  3. 審査業務のBPOを実現したのは、業務の手順や判断基準を網羅したマニュアル作り
  4. 導入前は業務が属人化していたが、マニュアルによって仕事のノウハウを可視化
  5. 特殊な業務であっても、資料を用意すればBPOの導入と業務効率化は可能
はじめに

「この部署は特殊な業務なので、BPOの導入は難しい」と考えていませんか。決してそんなことはありません。審査などのアウトソーシングは難しいと思われる業務にBPOを導入し、業務効率化を実現しているのが、太陽電池モジュールのメーカーのカナディアン・ソーラー・ジャパンです。

カナディアン・ソーラー・ジャパンはカナダに本社がある外資系のメーカーで、2018年太陽光発電供給量世界シェア3位(SPV Market Research調べ)。2019年1月からBPOの導入準備を始め、6月から本運用を開始しました。BPOの導入を担当した、カスタマーサポート部保証課課長代理の今野陽介さんは、導入成功の鍵となったのはマニュアルづくりだったといいます。BPOのスタッフが判断できるように、業務の手順を最初から最後まで可視化したマニュアルを、パーソルテンプスタッフの担当者と作り上げました。

その結果、社員が電話対応から解放されたことと入れ替わりが激しかった派遣社員の教育などがなくなったことによって時間が生まれ、社員としての業務に専念できるようになったといいます。カナディアン・ソーラー・ジャパンがBPO導入に成功した理由を、今野さんと、パーソルテンプスタッフ担当者の関達也プロジェクトマネージャーに聞きました。

業務効率化を目指して審査業務にBPOを導入

業務効率化を目指して審査業務にBPOを導入

——カナディアン・ソーラー・ジャパンは太陽光発電に必要な太陽電池モジュールのメーカーです。今野さんが所属するカスタマーサポート部保証課は、具体的にはどのような業務を行う部署なのでしょうか。

今野氏製品を購入していただいたエンドユーザー様に、太陽電池モジュールの保証をするために審査をして、保証書を発行する部署です。

——電機メーカーなどのように、製品の保証をするのでしょうか。

今野氏保証する内容は、太陽光発電業界ならではの特徴があります。一般電機メーカーさんのような製品保証だけではありません。
弊社の場合は、すべての太陽電池モジュールにつき、出力保証と製品保証は最初から保証されていて、日本でそのモジュールを買われたお客様に対して、申請ベースで保証書を発行しております。モジュールだけの保証内容ではなく、例えばパッケージ商品や、大規模な発電所などの設置基準に満たされているかどうかを審査し、問題なければスムーズに保証書を発行する業務を行っております。

——パーソルテンプスタッフはBPOでどのような業務を受けているのですか。

関PMカナディアン・ソーラー・ジャパン様の代理店様から、保証についての申請が上がってきます。その内容を見て、正しい設置がされているのかをチェックする業務と、審査についての問い合わせ対応をしています。

——審査業務をアウトソーシングする企業はまだそれほど多くないのではないかと思いますが、BPOを導入しようとしたのは、どのようなきっかけからでしょうか。

今野氏業務の効率化を進めるうえで、私の上司がBPOを導入する案を打ち出したのがきっかけです。社内では、すでに物流の部門が、パーソルテンプスタッフさんとは別の会社にBPOを導入していました。

それまで保証課には派遣社員が3人いましたが、3か月更新の際に人が変わることもありました。そうなると、人が入れ替わるたびに社員がレクチャーをしなければならず、大変時間がかかります。BPOによって教育をお任せして、社員の時間を確保できることを考えて、導入を決めました。

——パーソルテンプスタッフに決めたのは、どのような理由からでしょうか。

今野氏3社に提案をお願いしましたが、パーソルテンプスタッフさんに決めた大きな要因は、弊社の様々な要望をしっかりと把握出来た上で、柔軟なご対応、ご提案をいただいたことでした。例えば、申請方法や資料不備があった時など、問い合わせの電話が結構かかってきます。他の2社は、電話は対応できないか、できても制約があるということでした。これに対して、対応できると言っていただいたのはパーソルテンプスタッフさんでした。それが御社にお願いした理由の一つです。

——パーソルテンプスタッフが提案した料金が安かったわけではないのですか。

今野氏料金は安かったわけではありません。それよりも、こちらの要望に柔軟に対応いただけるということが選定のポイントであり、電話対応をしていただけることや、マニュアルを一緒に作っていただけることなどが挙げられます。

派遣とBPOでは必要なマニュアルが違う

派遣とBPOでは必要なマニュアルが違う

——BPOを導入する際に、大変だったことはありますか。

今野氏BPOの運用自体が初めてだったので、すべてが想定外でした(笑)。最も難しかったのはマニュアルづくりです。もともとマニュアルはありましたが、派遣社員のマニュアルと、業務委託のマニュアルは考え方が若干違います。

関PM派遣の場合は、指示を受けながら作業をして、わからないことがあったらマニュアルを見るか、社員に聞いて業務を進めます。業務委託の場合は、業務を受けた私たちの側で完結する必要があります。どのタイミングが業務のスタートで、どこまで終えたら業務をお返しするのかを考えなければなりません。

今野氏その際のルール作りが大変でした。この場合はイエス、この場合はノーという判断をする内容まですべて決めるのは難しかったですが、非常に勉強になりました。変な話ですがBPOをやめて派遣社員に戻しても活用できるほど、誰でもすぐに仕事ができるマニュアルができました。その点はよかったです。

——マニュアルを運用していくうえで、社員とスタッフのコミュニケーションに問題はありませんでしたか。

関PM今野さんに明確にルールを決めていただいたので、非常に進めやすかったですね。電話はすべて履歴を記録して、このケースはこの対応でいい、あいまいなときはこのルールを適応していいと決めていただきました。うまくいったのは今野さんのおかげだと思います。

私たちも出来る限りのことをやろうと考えて、現場のプロジェクトリーダーが今野さんとやりとりさせていただいています。プロジェクトリーダーは今野さんとうまくリレーションが築けていますし、コミュニケーションも取れています。

——今野さんはBPOを導入して、どのような成果を感じていますか。

今野氏期待していたことでもありましたが、社員が電話対応をすることがほとんどなくなりました。以前は、派遣社員が電話をとると、わからないときには隣にいる社員に聞いて、社員はそれに答えていました。電話の内容が難しい場合は社員が対応することも多く、電話対応だけでかなりの時間を取られてしまい、ほかの仕事が後回しになっていました。それがBPOを導入したことで、電話対応は確実に減りました。

——電話対応についてのマニュアルは、どのようにして作っているのでしょうか。

今野氏よくある質問と回答をまとめたFAQを作成して、その通りに運用していただいています。もちろんマニュアルを作っただけでなく、ブラッシュアップも必要です。太陽光発電の業界は変化が早く、少し前までは蓄電池は売れていなかったのに、最近では蓄電池が売れるようになってきました。商品の販売方法も変わってきています。新しい商品に対応して保証書を作っていかないと販売はできません。変化に対応するため、社員の担当者がBPOのチームと話し合って、マニュアルを更新し続けています。

——保証課は、カスタマーサポート部のなかでも、お客様に価値を提供する意味では、重要な部分を占めているのですね。

今野氏そうですね。保証は一番後のプロセスと思われがちですが、実際はお客様が購入するときに保証はどうなっているのかと聞きますので、最初に用意しておかなければなりません。そして商談が進み、ご購入後の保証申請を審査して、保証書を発行する、つまり販売の初期から最後まで関わっています。

——その他には、成果として感じていることはありますか。

今野氏これも期待通りですが、新しいスタッフにレクチャーをする必要がなくなったことで、社員の負担が減り、ほかの仕事に専念できるようになりました。派遣社員の場合は、新しい方が入ると、半人前になるまで教えるのに3か月くらい、1人前になるのに半年もかかっていました。

——コストの削減にはつながりましたか。

今野氏業務委託費自体は、派遣社員を3人活用していたときよりもかかっています。しかし、長い目で見れば、コストは削減できていると思います。レクチャーの時間がなくなったことも、コストの削減につながりました。導入前は1日あたり2、3時間残業をしていましたが、いまは残業もほぼゼロです。長く働いていた人が辞めると、それだけでも業務の効率は落ちてしまいます。その意味でもコスト削減はできていると思います。

BPO導入は難しいと思われる部署でもチャレンジすべき

BPO導入は難しいと思われる部署でもチャレンジすべき

——今後、BPOやアウトソーシングに期待することはございますか。

今野氏正直なところ、保証と審査の業務にBPOを導入するのは無理だろうと最初は思っていました。業務の難易度も高いですし、教えるのも難しいです。それに加え、外資系企業であるがゆえに、以前は業務の属人化が極まっていて、1人1人が自分の仕事をやっている状態でした。報告がないので、逆に誰がどのような仕事をしているのかがわからなかったのです。そのため誰かが辞めると、次に担当した人はまた違う方法で業務を進めていました。

それがマニュアルをつくることによって、仕事の見える化ができました。全員がどのように業務を進めているのかが見えました。保証と審査の業務をアウトソーシングできたことは、会社にとってもプラスになるのではないかと思います。

——関PMは、今後どのような提案をしていきたいと考えていますか。

関PM今野さんは業務が属人的になっていたとおっしゃいましたが、業務を受託して運用する私たちの側から見れば、属人化している業務は大歓迎です。なぜかというと、その人の頭の中に入っていることをいただいて、引き出しにすれば、すべてノウハウになるからです。そのノウハウをすべて可視化できれば、属人化でも何でもありません。

その人が辞めたり、休んだりすると業務が止まるだけの話で、その人の方法自体は正しいですし、すごい内容が詰まっているはずです。それを私たちが引き出して、ルールを決めましょうとご提案できれば、属人化は宝だと思います。

——属人化という単語には、どちらかというと否定的というか、悪いイメージがついていますよね。

関PMBPOの話をするときに、「属人化になっていて困っている」と枕詞のようになっています。でも、業務委託にとっては、属人化は悪でも何でもなくて、いいことだと思っています。属人化していることよりも、何にもルールがなくて業務を進めている方が怖いですね。

属人化していても業務がまわっているのであれば、そこにルールがあるはずです。そのルールを引き出すことができれば、私たちは絶対にやりきれると思っています。

——最後に、今野さんに、BPOを考える上での大事なポイントを伺えればと思います。

今野氏職場がどんな問題を抱えているかにもよりますが、BPOは絶対にできないと思わずに、まずチャレンジすることが大切ではないでしょうか。特殊な業務だからと思いとどまらず、ちゃんとした資料をこちらからお渡しすれば、業務をアウトソーシングすることは可能ですし、効率化も実現できると感じています。

それと、円滑に進むかどうかの鍵になるのは、パーソルテンプスタッフさんのプロジェクトリーダーです。プロジェクトリーダーは判断できないことが出てきたときに、考え方の認識のすり合わせをしてくれますので、非常に助かります。何でも聞きにこられると、派遣社員と同じような状況になりますので、プロジェクトリーダーがしっかり線引きをしてくれていることが大きいです。このような対応をしていただけるかどうかは、BPOの会社を選定する上では、大きなポイントになると思います。

——どうもありがとうございました。

取材協力
カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社
Canadian Solar Japan K.K.
https://canadiansolar.co.jp/
カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社 カスタマーサポート部 保証課 課長代理 今野陽介様
カナディアン・ソーラー・ジャパン株式会社
カスタマーサポート部 保証課 課長代理
今野陽介様
パーソルテンプスタッフ株式会社 東日本OS事業部 東日本第二BPOサービス部 第二BPO運用二課 プロジェクトマネージャー 関達也
パーソルテンプスタッフ株式会社
東日本OS事業部 東日本第二BPOサービス部
第二BPO運用二課
プロジェクトマネージャー
関達也

BPO Prácticaでは、お困りの問題を解決するBPOコンテンツを多数展開しております。

パーソルテンプスタッフが提供するアウトソーシングソリューション

新着記事