コロナ禍で業務を変革し在宅勤務を可能にした大塚製薬PV部のBPO活用

コロナ禍で業務を変革し在宅勤務を可能にした大塚製薬PV部のBPO活用

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公開日:2021年8月25日
5つのポイント
  1. 大塚製薬は医薬品等の安全性管理業務にオンサイト型BPOを導入
  2. 社員とBPOチームが伴走することで専門性の高いPV部のサポート業務をBPO化
  3. BPOチームによる徹底した可視化と改善提案で信頼関係を構築
  4. 在宅勤務のための業務変革へBPOチームが新たな業務フローを提案
  5. BPOの成果には相互コミュニケーションが重要
はじめに

大塚製薬のファーマコヴィジランス(PV)部は「At Otsuka, drug safety is everyone’s business. Patient safety is our highest priority」という理念を掲げ、医薬品等に関する安全性の管理情報を収集・評価し、医療現場における医薬品等の適正使用の推進と、患者さんの安全確保などの業務にあたっています。ファーマコヴィジランスはPharmaco(薬の)とVigilance(監視)という意味の造語で、日本では「医薬品安全性監視」と訳されます。

この専門性が高い業務に、2012年からパーソルテンプスタッフによるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を導入しました。それまでの派遣スタッフの業務と、社員の業務の一部をBPO化し、効率化と品質担保を実現。その後、コロナ禍では緊急事態宣言による在宅切り替えにも迅速に対応し、PV部の対象社員の在宅勤務化に貢献しました。

在宅勤務への移行にあたっては、BPOチームとのこれまでの信頼関係の積み重ねが功を奏したと言えます。BPO導入の背景と、コロナ禍でスムーズに在宅勤務が実現できた要因を、大塚製薬PV部PVオペレーション室の尾浦潤子室長と、パーソルテンプスタッフの上山昭穂マネージャー(以下、上山M)、今井藍子プロジェクトマネージャー(以下、今井PM)にオンラインで聞きました。

1. PV部のサポート業務にBPOを導入

——PV部の業務は医薬品の安全性監視などの重要かつ専門性が高い業務だと思います。どのようなきっかけから、BPOを導入することになったのでしょうか。

尾浦室長きっかけは部内の組織改編を行うタイミングで、パーソルテンプスタッフ様から業務委託の提案をいただいたことです。PV業務は当時、CRO(Contract Research Organization)と呼ばれる医薬品の開発業務受託機関に依頼するか、自社で派遣スタッフを抱えるかが一般的でした。当社の場合、多くの派遣スタッフが働いていましたが、派遣スタッフを管理することの負担が大きかったため、派遣スタッフが実施していた業務を委託することに決めました。その際、社員が行なっていた業務の一部も、委託することとしました。

——CROへの委託か派遣ではなく、パーソルテンプスタッフのBPOに決めたのはどのような要因からでしょうか。

尾浦室長決め手の一つは、パーソルテンプスタッフ様が当社と同様に、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備していることを示す「プライバシーマーク」を取得されていたことです。最初にBPOを導入したのは私が所属するPVオペレーション室でした。ここでは医薬品等に関する安全性情報を確実に収集できる体制を整備し、収集した情報をデータベースに入力して、必要に応じて安全性情報を国に報告しています。安全性情報や個人情報を扱うため、セキュリティに対する取り組みをされていることが、判断の重要なポイントでした。

——BPOを導入する時期に苦労したことはありますか。

尾浦室長導入した当初は、社員ではないBPOチームのスタッフにイントラネットのアクセス権を与えることについて、社内の合意形成に少し時間がかかりました。また、専門性の高いPV業務の一部を外部委託することも、大規模な業務委託もはじめてでした。そのため、委託できる業務の洗い出しや、BPOチームが判断する際のルールを作成することにも、ある程度の時間が必要になりました。

——BPOチームとしては、業務を進めるにあたってどのような課題がありましたか。

上山M専門性が高い業務ゆえに、製薬会社でお勤めになっている方なら当然持っている、初歩的知識や共通言語をキャッチアップすることに必死な状態がしばらく続きました。早くその知識を理解し、共通認識にしていくことが必要でした。この点は、大塚製薬様に伴走していただくことで、乗り越えることができました。

判断が求められる場面の対応も、最初は大変でした。似て非なる事例が多々発生していて、別々に分類しなければいけないものを、同じカテゴリーと認識してしまうこともありました。私たちがどこまで判断して、ここから先は社員の方が判断する、といった業務のすみわけ・役割分担の調整をしていただいたことで、うまく進みはじめたと思います。
これまでに常に帳票、業務手順やマニュアル改善、業務のIT化など、さまざまな改善をしてきました。

尾浦室長業務が安定した後、BPOチームの皆さんには、業務の精査と作業・フローの見直しをしていただきました。現場で気づいた点の改善提案や、急に発生した業務の対応など、いつもクライアントファーストの対応をしていただいており、信頼関係を築くことができています。

——BPOを導入したことで、具体的にはどのようなメリットがありましたか。

尾浦室長円滑に業務を遂行いただいている上に、常に業務を改善していただいており、効率的に業務を進めることができています。また多くの派遣スタッフの採用・教育などの管理と業務の指揮命令を、BPOチームに任せることができたことも大きかったですね。その結果、社員に時間的な余裕が生まれ、自分の業務に専念できるようになりました。PVオペレーション室でBPO化のメリットが得られたことで、現在ではPV部全体でBPOを導入しています。

大塚製薬株式会社 PV部 PVオペレーション室 室長 尾浦 潤子様

大塚製薬株式会社
PV部 PVオペレーション室 室長
尾浦 潤子様

2. コロナ禍の急な在宅勤務への移行をBPOチームがサポート

——大塚製薬様では、コロナ禍の前から在宅勤務に取り組んでいたのでしょうか。

尾浦室長当社では2008年から業務効率をあげることを目的とした在宅勤務制度がありました。週1回、月4回の在宅勤務を行うものです。在宅勤務を進めやすくするために、2014年から業務の一部にペーパーレス化の取り組みもはじめました。

在宅勤務をさらに進めるために、2019年7月には新たな制度を整備して、在宅勤務の目的を「あたらしい生活様式に応じた働き方を通して、持続的成長につなげる」「業務の効率化、生産性向上を図る」「通勤時間削減により、生活時間、睡眠時間を確保し、健康に働ける環境をつくる」の3点に明確化しています。

——社員の在宅勤務に、BPOチームはどのようにかかわっていたのですか。

上山M普段から業務の進捗状況をデータで記録して、在宅勤務をされている社員の方との共有や、緊急時に連絡を取る体制を構築していましたので、社員の方の在宅勤務のサポートにはある程度慣れていました。

——2020年に1回目の緊急事態宣言が発出された際、在宅勤務についてはどのような対応に変わったのでしょうか。

尾浦室長2020年3月からは、在宅勤務を主とすることが決まりました。決定後すぐに実施することになりましたが、業務が滞りなく進められたのはBPOチームにサポートしていただいたことが大きいですね。

——今井さんはプロジェクトマネージャーとして、実際に在宅勤務のサポートを対応されていますが、当時はどのような状況だったのでしょうか。

今井PM在宅勤務が決まった時点では、社員の方々がいなければ進まない業務が多数あり、何から取り組めばいいのかわからない状態でした。

そこで、まず実施したのが、290項目にわたる通常の作業内容の確認です。社員の皆さまが不在になることにより、影響が出ると考えられる作業をピックアップして、在宅でも可能な方法を提案しました。

項目が多いので洗い出しは大変でしたが、日頃から業務の効率化や改善のために作業内容を可視化するスキルマップを作成していたことで、スムーズに進めることができました。それに、従来から在宅勤務に対応できていたことも大きいですね。

尾浦室長これまでの在宅勤務では、社員の誰かは社内にいましたし、多くの社員が在宅勤務になる想定はしていませんでした。BPOチームからのご提案がなければ、在宅勤務へのスムーズな移行は対応できなかったと思います。


パーソルテンプスタッフ株式会社 第二BPO事業本部 西日本第二BPOサービス部 西日本BPO運用二課

パーソルテンプスタッフ株式会社
第二BPO事業本部
西日本第二BPOサービス部西日本BPO運用二課PM
今井 藍子

パーソルテンプスタッフ株式会社
第二BPO事業本部
西日本第二BPOサービス部西日本BPO運用二課マネージャー
上山 昭穂

3. BPOチームの提案でほとんどの業務が在宅でも可能に

——在宅勤務への移行に際して、BPOチームからは具体的にはどのような業務変革の提案をしたのでしょうか。

今井PMご署名や押印をいただかなければならない業務がやはり多かったので、専門のシステムによる電子承認や、メール承認に置き換えられる作業・業務フローをご提案しました。大塚製薬様側でも対応に動いていただいていたので、変更は早かったですね。

業務内容は常に変化しますので、普段から業務の可視化やマニュアル作成と定期的な改定をおこない、いかに滞りなく進められるかに注力しています。そのベースがあったことで、この作業を在宅にするにはどうすればいいのかを、一つひとつ丁寧に押さえることができました。

——社員が在宅勤務に移行する中でのBPOチームの勤務体制はどうなっていますか。

今井PMBPOチームは複数のプロジェクトリーダーとメンバーで構成しています。そのうち3割ほどのスタッフが出社の許可をいただいて、郵便物の発送など、物理的に出社が必要な業務にあたっています。7割のスタッフは在宅勤務です。

出社と在宅に分かれているので、スタッフの業務管理は大変ですが、在宅勤務では時間帯ごとの工数管理を徹底しておこなって、どれだけの業務を遂行できたのかという生産性を明確にしています。

上山M在宅勤務に順調に移行できたのは、尾浦さんが私たちの相談や提案を素早く判断してくださったことが大きいです。本当にテキパキとご指示いただきました。尾浦さんに私たちからの問い合わせが殺到したと思いますが、うまく噛み合って進められたと思います。

尾浦室長先にBPOチームからご提案をいただけたので、判断にあたっては考える猶予がありました。委託元である当社が考えるべきことも整理してご提案いただきました。

PV部に関して言えば、在宅勤務の対象となっている社員は全員在宅勤務が可能となっています。これは、BPOチームのサポートがなくては成し遂げられなかったと思います。

今井PMBPOによる在宅移行を通じて、社員の方の生産性向上や働き方改革へ貢献できたのではないかと思っております。

4. コミュニケーションで信頼関係を築く

——BPOチームも在宅勤務が続いておりますが、その後はいかがでしょうか。

尾浦室長おかげ様で業務は非常に安定しています。BPOを導入して今年が8年目ということもあり、強固な関係が築けていると思います。BPOを導入した初期の頃は「社員ではない人からPV業務の連絡が来るのですか」という戸惑いの声が、社内のMR(医薬情報担当者)や支店から上がることもありました。それが8年経った今では、業務の品質も高く安定していて、社員の皆が頼っています。

上山Mコロナ前のことですが、支店の皆さんが集まる会議の後に開催された食事会に、私たちも参加する機会がありました。そこでBPOチームが普段メールでやりとりをしている社員の皆さまとはじめてお会いして、お話できたことで、その後のコミュニケーションが円滑になりました。このような機会をいただいたことで、BPOチームスタッフのモチベーションも上がったと思います。大塚製薬の皆さまは、BPOチームをパートナーとして見てくださり、ご相談いただけるので、少しでもお役に立ちたいと全員が思っております。

今井PM今は大塚製薬様には原則出社をしていませんが、出社の際には「最近どうですか」と話しかけて、仕事とは関係ない雑談をしています。尾浦さんの前で明かすのは問題があるかもしれませんが(笑)。私たちが目指しているのは、社員の皆さまのかゆいところに手が届くようなフォローです。日常のコミュニケーションによって、良好な関係性を築けているのではないでしょうか。

コミュニケーションで信頼関係を築く

尾浦室長本当にそうだと思います。結局はコミュニケーションですよね。業務をBPO化すると言うと、社員の知識がどんどん脆弱化して、自分たちで業務ができなくなるリスクが指摘されます。でも、月次定例会や日頃のコミュニケーションなどで、業務の進捗状況や課題の確認を相互に行うことで、そうしたリスクは回避できると感じています。そのリスクよりも、BPO化で得られた時間で専門的なところに時間を費やすメリットや、業務上に現れる効果の方が大きいと思います。

BPOチームの皆さんにはいつも親身になって、私たちの立場で考えていただいています。在宅勤務を進める上ではコミュニケーションがより重要になりますが、これまでの積み重ねが活かされていると感じています。コロナ禍から日常に戻ったら、早く皆さんとお会いしたいですね。

——どうもありがとうございました。

取材協力
大塚製薬株式会社
Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.
https://www.otsuka.co.jp/
大塚製薬株式会 PV部(ファーマコヴィジランス部)PVオペレーション室 室長 尾浦 潤子様
大塚製薬株式会社
PV部(ファーマコヴィジランス部)PVオペレーション室 室長
尾浦 潤子様
パーソルテンプスタッフ株式会社 第二BPO事業本部 西日本第二BPOサービス部 西日本BPO運用二課 マネージャー 上山 昭穂
パーソルテンプスタッフ株式会社
第二BPO事業本部 西日本第二BPOサービス部 西日本BPO運用二課 マネージャー
上山 昭穂
パーソルテンプスタッフ株式会社 第二BPO事業本部 西日本第二BPOサービス部 西日本BPO運用二課 PM(プロジェクトマネージャー)今井 藍子
パーソルテンプスタッフ株式会社
第二BPO事業本部 西日本第二BPOサービス部 西日本BPO運用二課 PM(プロジェクトマネージャー)
今井 藍子

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